【小同心クラック】 赤岳山荘から大同心稜〜地蔵尾根の周回

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【横岳】 よこだけ 2829m   

登山日 2017年6月17日(土)
山域 八ヶ岳連峰
コースタイム 9時間57分 (休憩等、約1時間58分含む ※歩行及びクライミングタイムは7時間59分) 
コース 赤岳山荘(3:32)〜堰堤広場(4:16)〜赤岳鉱泉(4:59-5:09 休憩10分)〜大同心沢分岐(5:12)〜[途中休憩 5分]〜大同心基部(6:03-6:09 休憩6分)〜小同心クラック取付き(6:32-7:01 休憩とクライミング準備29分)〜小同心の頭(8:54-9:00 写真撮影6分)〜横岳(9:21-10:02 休憩41分)〜地蔵の頭(10:55-11:03 休憩8分)〜行者小屋(11:41-11:54 休憩13分)〜中ノ行者小屋跡(12:37)〜赤岳山荘(13:29)
天候 晴れ(風が弱く絶好の天気だった)
駐車場 ★赤岳山荘・やまのこ村駐車場(1000円/日 無雪期は各70台程),赤岳山荘前に有料トイレ有り
※美濃戸口から赤岳山荘までの道はダートで悪路です。
※赤岳山荘の駐車場は早朝3時過ぎには満車になりました。
★八ヶ岳山荘・美濃戸口蓼科観光駐車場(500円/日 計150台程),八ヶ岳山荘に有料トイレ有り
※赤岳山荘まで行けない車は八ヶ岳山荘等の駐車場がお勧めです。
日帰り温泉 八ヶ岳山荘 , 尖石温泉 縄文の湯 , 八ヶ岳温泉ふれあいセンター もみの湯
備考 ★登山届は八ヶ岳山荘と赤岳山荘前にに設置されています。
★赤岳山荘前・赤岳鉱泉・行者小屋に有料トイレがあります。
★横岳から地蔵ノ頭は梯子や鎖場が付けられた岩場が多く有ります。
★横岳は複数峰(二十三夜峰、日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰、無名峰、奥ノ院)の総称です。
※山頂標識は奥の院にありますが、標高2829mの表記は無名峰の高さだそうです。
★地蔵尾根も梯子・階段・鎖場がありザレて滑りやすい箇所もあるので注意です。
★大同心沢〜横岳までは一般コースではありません。
★小同心クラックは初級ですがクライミングルートです。
※装備はダブルロープ・ヌンチャク・スリング・カラビナ・クライミングシューズ等
※動く石や剥がれる石があるので注意が必要です。
※小同心は左右の二つの岩峰からなるそうです。(小同心クラックは左岩峰)
※小同心クラックは初めてのチャレンジだったのでルートを少し外してしまいました。
◆記載した内容は登山日によるものです。(※あくまでも個人山行の記録です)




行程地図

【 行程イメージ図 】


断片図

【 断面イメージ図 】




当サイトは「山旅倶楽部」の地図をベースに作成しています。
2014年1月より山旅倶楽部の地図を2次利用する場合は国土地理院への申請が不要となりました。



山行のつぶやき

2017年遠征バリエーションを飾る一発目は、八ヶ岳『 横岳 小同心クラック 』と『 稲子岳 南壁左カンテ 』の2ルートに 狙いを定めて挑戦してみる事とした。一般的にはクライミング初級者の登竜門的存在であると思われる今回のルートも、 まさに初級者と呼ぶに相応しい我々へなちょこ登山隊に太刀打ちできるのか不安であるが、挑戦してみなければ先に進む 事は出来ないと梅雨の晴れ間を狙い登山口となる美濃戸へと深夜に車を走らせやってきた。まだ夜も明けぬ3時半に出発 してウォーミングアップ代わりの赤岳鉱泉までの登山道をプラプラと歩いていく。赤岳鉱泉でトイレをお借りして大同心沢分岐 より大同心稜を目指して登って行く事になるが、これがなかなかパンチの効いた急坂で一気に体力を吸い取られていった。 大同心基部まで到達するといつも眺める大同心とは一味違う強烈な存在感で立ちはだかる岩壁が迫り、迫力と共にここまで 来なければ見る事も出来ない新鮮な感覚に嬉しくなってくる… ただしその圧倒的な存在感は我々に太刀打ち出来る代物 では無く見ただけで返り討ちにあってしまったのであるが。。。大同心基部から右手には、これから目指す小同心がこちらも 中々の存在感で鎮座しておられ気が引き締まる思いで写真に収める。大同心基部からは一旦ルンゼに少し下り、小同心取付きまで 登り返す形となるが、人によってはここが核心部と書いている人もいるようなので厳しいトラバース道なのかなと思って いたが、実際に歩いて見ると足元さえ注意すれば普通に歩ける感じであった。小同心クラックはその名の通りクラック上の チムニーの中を登っていくルートであり、下から眺めると岩の裂け目はわかりやすくホールドも大きくガバばかりのように 見えるため、これなら筆者達でもなんとか登れそうと言う感じだ。準備を整えまずは傾斜の緩めの壁に取り付くが、簡単な反面、大きめの 岩が動く事もあり一手ずつしっかりと確認しながら登っていくので少々緊張した。40m程の位置の終了点でピッチを切り 後続をビレイするが、今回は3人の登攀でダブルロープを使用したためツルベでは無く全てのピッチを筆者がリードする。 そしてビレイポイントより2ピッチ目へと離陸した直後にアクシデントが発生… なんと左足の脹脛が攣ってしまったのである。 離陸直後であったため問題は無かったが、垂直の壁の途中でこんな事態が発生すればどうしようも無い状況に陥ってしまう 事は間違いない。深夜に車を走らせて殆ど仮眠もせずに登った寝不足・水分不足・空腹など色々と原因は考えられるが、 やはり寝不足が最大の要因ではないかと考えられる… もう若くも無いので睡眠不足は控えろとの警告であるように感じた。大いに反省せねばならない。 攣った足はなんとか戻ったが足に力を入れると再び攣りそうな感覚が付きまとい左足をかばいながら登っていく形となるが、 2ピッチ目の再発進早々に致命的なミスに気付いてしまう。今回のルートは小同心クラック、その名の通りクラック状のチムニー 内を登っていくのであるが、思いっきり高度感のある岩壁に飛び出してしまった… 右方向を見るとどうみてもあの中を行く のであろうと思われるクラックが見えるが、もはや後の祭りで正規ルートに戻ることは不可能である。ハーケンが適度に 打ってあった為それに促されるように登ってしまったが、おかげで名物のチムニーに入らないという大失態をおかして しまったのである。(間違ったルートは高度感満載で傾斜もそれなりにあり無駄に怖かったが …)という訳で2ピッチ目のチムニー内を楽しみに 登ってきた後続の2人からはルートが違うと残念がられ、嫌味に似た愚痴を聞かされ続ける羽目になってしまったのである。 3ピッチ目は2つのルートがあるようで、出だしが少しかぶった左のルートから登り、あっけなく突破したところで小同心の肩に到着。そのままロープを伸ばし 頭で終了点を取ったが小同心クラックに行ったと言っていいのだろうかという結果となってしまった… 聞かれても小同心 クラックもどきを登ってきたとしか言えそうにないかも・・・。 小同心の頭から眺める横岳山頂や周囲の稜線からは登山者 が見下ろしており舞台の上に立っているような心境になるが、昨年までは我々も逆の立場でまさかこんな所に登るとは考えも しなかった事である。横岳山頂へは一応ロープを繋いで登ったが、あっけないほどすぐに山頂へ抜けたため、後続の2人は同時に 登ってもらい無事に遠征初のマルチピッチアルパインクライミングは終了となった。山頂で昼食を兼ねた大休憩を取るが、もはや 終了気分なのでなかなか動く気がせずゆっくりとくつろいでしまう。休憩後は縦走する興味も起きないので地蔵尾根から行者 小屋に下り南沢を戻ることとし出発するが、稜線を歩く最中も先程まで登っていた小同心が気になりついつい振返って撮影してしまう。。 本当はもっとちゃんと写真を撮りたいがクライミングという事で一眼レフを持ってきていない ため、あまり写真を撮る気にもなれないのが残念である。筆者として小同心の次に気になるのが中山尾根になるので、地蔵尾根 を下りながら眺める中山尾根も厳しそうな感じで太刀打ちできるかは難しそうな感じに見えた … ただどれが本当のルートか きちんと同定出来ていないので感覚的なもの。南沢から美濃戸への道中、いつ咲くのだろうと毎回気になっていたホテイラン が咲いておりコンデジで連射して見たが、以前から気になっていただけにちょっと得をした気分で初日は終了となった。温泉に 入り蓼科湖にあるオートキャンプ場で泊まったが、寝不足のため18時過ぎには就寝となった。明日は昼から予報が微妙な感じと なっているため、再び早朝から登る計画をしており起床時間は 2時の予定となっている。

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【赤岳山荘の駐車場(写真は下山時)】
早朝3時半に赤岳鉱泉を目指して出発

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【4分程で美濃戸山荘に着き北沢へ】
山荘前が北沢と南沢の分岐点

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【林道を約2q半歩き堰堤広場に到着】
ここから北沢の登山道へ入る



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【柳川北沢】
川沿いを縫うように進んで行く

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【大同心と小同心が見えて来た】
今から小同心に行くと思うと胸が高鳴る

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【赤岳鉱泉までやって来た】
雪が少し残っていた



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【赤岳鉱泉からの大同心と小同心】
まずは硫黄岳方面へと歩を進める

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【3分程歩くと大同心沢の分岐】
ロープを潜り大同心沢へと入る

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【大同心沢の左岸を少し進む】
枯れ沢を渡って右岸から大同心稜に取付く



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【急勾配の大同心稜】

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【樹林越しに大同心が見えてきた】

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【大同心稜を登る相方とケンちゃん】



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【迫りくる大同心】

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【樹林帯を抜け足元が悪くなる】

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【大同心と小同心】
大同心と小同心の間が大同心ルンゼ



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【大同心基部まで後少し】
大同心稜は明瞭で分りやすい道だった
基部に着いたらヘルメット着用しよう

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【大同心基部付近で一息つく】

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【大同心の岩壁と硫黄岳】



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【大同心基部からの小同心】

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【取付きまでの道程】
大同心ルンゼまで少し下り草付を登る

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【大同心基部をトラバース中】
片側は切れ落ちているので慎重に通過



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【大同心の南側にリングボルト発見】
ここは大同心南稜ルートのようだ
筆者達にはまだまだ太刀打ち出来ない

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【南稜ルートの起点から見上げる大同心】

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【大同心ルンゼ】



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【落石に注意しながら草付をトラバース】

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【振返る見る大同心】

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【大同心上部にロープが見える】



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【小同心の草付ももうすぐ終了】
付近にはまだ誰もおらず貸切

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【小同心クラック取付きに到着】
取付きのテラスで腹ごしらえ

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【初めてなのでルートをよく観察】
まだ後続は来ないのでゆっくり登ろう



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【まずは傾斜の緩いフェースを斜上】

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【小テラスのアンカーボルト地点】

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【自己確保して取付き地点を覗き込む】
ところがケンちゃんから1P目の終了点はもう少し上だと思うとの指示が来た。



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【先程のテラスから更に登る筆者】

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【少し上がった所でピッチを切りビレイ】

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【1P目を登り切ったケンちゃん】
1P目はホールドとスタンスの剥がれさえ注意すれば特に難しい所はなかった。



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【もう一段上の支点】
ここの方が良かったのだろうか

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【筆者の1P目終了点より足場が広い】
そしてこの先でルートを間違えた・・・

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【必然的に後続もミスルートを辿る】
正規のルートは左下のチムニー



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【ここが正規ルートのチムニー】
間違ったルートは下部に支点はあるが上部でなくなり高度感があるので怖かった

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【2P目の終了点から見る大同心】
この上は左右二通りのルートがあるようなので出だしが少しかぶっている左を選択

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【3P目に向け発進!】



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【3P目の左のクラックルート】

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【2P目終了点で待機中のケンちゃん】
ケンちゃんも楽しそう

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【小同心の肩に着いた相方】
無難に登れて満足そうだ



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【肩からは一登りで小同心の頭】

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【小同心の頭でビレイ中の筆者】
頭は360度の大展望

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【小同心の頭の終了点】
3P目も特に苦労する事なく踏破



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【硫黄岳と大同心】

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【大同心には誰も取付いていない】

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【横岳奥の院直下まではコンテで歩く】



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【横岳峰々と赤岳】

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【赤岳・中岳・阿弥陀岳】

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【小同心の右岩峰と左岩峰】



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【横岳直下は一応ロープを出すも簡単】

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【横岳(奥の院)に無事到達!】
ロープを畳み大休憩

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【硫黄岳】
頂上は賑わっていそうだ



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【筆者達が登った小同心左岩峰】

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【大同心】

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【イワヒバリ】



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【ハクサンイチゲ】

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【ミヤマキンバイ】

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【オヤマノエンドウ】



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【地蔵尾根まで縦走して下山しよう】
一般登山道は沢山の方で賑わっていた

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【三叉峰のピークに寄道】
ピークの少し下が杣添尾根の分岐点

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【石尊峰は人が多いのでスルー】
横岳は幾つかのピークの総称



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【振返り見る小同心】
ついつい色んな角度から見てしまう

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【鉾岳は西側に巻く】
横岳は鎖場・梯子等があり通行注意

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【日ノ岳の東側のルンゼを下る】
ここは石を落とさぬよう注意したい



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【雲が掛かりだした赤岳】

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【地蔵の頭で一息つく】

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【歩いて来た横岳方面】



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【次回チャレンジしたい中山尾根】

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【地蔵尾根から下山開始】

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【地蔵尾根にも鎖場・梯子・階段あり】



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【行者小屋まで下りて来た】
小屋前は多くの人で賑わっていた

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【小屋から小同心に取付く人達が見える】
今日、筆者達が登ったルートだ

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【南沢から赤岳山荘へと下る】
達成感に浸りながらダラダラと歩く



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【中ノ行者小屋跡】
赤嶽神社の石祠がある

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【ホテイラン】
遂に咲いてる姿を見る事ができた♪

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【ホテイラン】
出来れば一眼レフで撮影したかった



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【美濃戸山荘まで戻って来た】
赤岳山荘まで戻り無事終了〜

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【下山後蓼科湖付近のキャンプ場に宿泊】
山盛りのウィンナーを焼く

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【本日の晩御飯】
睡眠不足なので18時には就寝





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