【稲子岳南壁左カンテ】 唐沢鉱泉から一部周回のピストン

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【稲子岳】 いなごだけ 2380m 【乳】 にゅう 2532.2m

登山日 2017年6月18日(日)
山域 八ヶ岳連峰
コースタイム 8時間10分 (休憩等、約1時間24分含む ※歩行及びクライミングタイムは6時間46分) 
コース 唐沢鉱泉(4:00)〜渋の湯と唐沢の分岐(4:48-4:54 休憩6分)〜黒百合ヒュッテ(5:21-5:34 休憩13分)〜中山峠(5:38)〜稲子岳分岐1(5:51)〜左カンテ取付き(6:18-6:44 休憩・準備26分)〜左カンテ終了点付近(9:01-9:28 補給休憩27分)〜稲子岳(9:39)〜ニュウ(10:07-10:12 休憩5分)〜中山と中山峠との分岐(10:45)〜黒百合ヒュッテ(10:59-11:06 休憩7分)〜渋の湯と唐沢の分岐(11:28)〜唐沢鉱泉(12:10)
天候 曇り
駐車場 ★天狗岳登山口駐車場(無料) バイオトイレ有り(※冬季は使用不可)
※唐沢鉱泉より少し手前になります。間違って唐沢鉱泉の駐車場に止めないようにしましょう。
※唐沢鉱泉へと至る道は4km程未舗装道路になります。
※出発時・下山時共に空きはありましたが縦列駐車の車がありました。(時間帯によっては満車)
日帰り温泉 唐沢鉱泉(立ち寄り湯可 700円/人)
尖石温泉 縄文の湯 , 道の駅 蔦木温泉 つたの湯
備考 ★登山届は唐沢鉱泉に設置されています。
★トイレは黒百合ヒュッテ(有料200円/回)でお借りできます。
★稲子岳分岐〜ニュウ手前の一般ルート合流地点までの道は一般ルートではありません
★稲子岳南壁左カンテは初級ですがクライミングルートです。
※装備はダブルロープ・ヌンチャク・スリング・カラビナ・カム・クライミングシューズ等
※カムが効きそうな箇所は多数ありました。
※落石させないよう注意しながら登りました。
◆記載した内容は登山日によるものです。(※あくまでも個人山行の記録です)




行程地図

【 行程イメージ図 】


断片図

【 断面イメージ図 】




当サイトは「山旅倶楽部」の地図をベースに作成しています。
2014年1月より山旅倶楽部の地図を2次利用する場合は国土地理院への申請が不要となりました。



山行のつぶやき

深夜2時に起床してテントを撤収、キャンプ場の駐車場で朝食を食べ登山口となる唐沢鉱泉へと移動する。天候はガスは出ている ものの月も薄らと見えており大丈夫そうな感じだ。早朝4時に唐沢鉱泉を出発して黒百合ヒュッテを目指して登っていくのだが、 心配は風の強さかとも思ったが黒百合ヒュッテまで登るとなんとか大丈夫そうで天気も持ちそうだ。中山峠からいったんミドリ池方面へ 大きく下り、「ミドリ池40分・中山峠40分」と書かれた標識がある緑のロープから一般道をそれ取付きを目指すが、目印の先でいきなりルートを見失ってしまう。 苔の森を彷徨いながらなんとか 踏み跡を発見(中山峠側から入れば迷わないと書かれていたがあっさりとルートを見失う間抜けな登山隊である)しこの後は 忠実に注意しながらたどっていくと正面に岩壁が見えてきた … 左カンテの裏側に当たる壁である。この付近で取り付きを探して いくと木に付いた 3重テープを同行のケンちゃんが発見し無事取付きにたどり着くことができた。有名な赤色のハーケンは筆者が 思っていたよりも低い位置に付いていた。取付きで準備を済ませ今日も全ピッチ リードでのチャレンジとなるが、全ピッチV級ぐらいのグレードなので昨日の小同心よりも簡単なはずであり気分は少し楽な感じがする。 1ピッチ目を離陸して左上するとすぐに終了点があるがここは無視して進んで行くとここで本日最大の難関にぶち当たってしまう … 本来なら多分説明もいらないような簡単なルートであると思われるが、ハーケンに導かれて登っていくと終了点を発見したものの、 そこから上は本当にこれを登れるのか?というようなV級とは思えない壁がそびえ立っている。クラックに沿ってなんとか登る? とか考えながらも左方向に回り込んで見てみるとすぐ上にどう考えてもあちらであろうという明瞭な終了点を発見してしまった。 正解の終了点を見つけたのは良かったが問題はそこまでどうやって行くかという事であり、いったん中途半端に登ってしまった 岩壁をクライムダウンで下り登り返す必要があるのである。落ちたら洒落にならないという恐怖のクライムダウンを開始し数メートル を緊張感満載に下った際には口の中がカラカラになってしまった。終了点を作っている際に後続 PTが取付きにやってくるのが見え、 ここからは後続もある事なのでルートミスを犯すことは出来ないと気合を入れ直す。(1ピッチ目は迷走もあり時間がかかりすぎた) 2ピッチ目は特に問題となる箇所は無く全体を通して最も安心して登れたピッチでほっと一息つけるが、終了点から右の垂壁を見ると 人口登攣用と思われるハーケンが乱打されており迫力がある。3ピッチ目は出だしが少し登りにくいが簡単なステミングもどきで抜けて しまえばあとは終了点まで問題無く抜けられた。4ピッチ目は高度感のある大きなチムニーの中に入りこみそこから若干かぶり気味 の岩を登る箇所が左カンテ最大の核心部になると思われる… 難しくはないが高度感があり緊張感があるのとロープの流れが悪く 重くて仕方が無かった。最後の核心部と思われる箇所を越えるとテラスへと飛び出し左カンテも無事終了となる。後はおまけの 最終ピッチ5m程を登り 2日間連続のアルパインクライミングは最高の形で終了となった。終了点上部で昼食休憩を取りながら眺める 東天狗岳や硫黄岳が何か新鮮なものに感じられ眼下に広がる樹海を見下ろしながら、あそこから登って来たんだと実感させられ充実感 に浸ることができる。せっかくなので稲子岳の山頂を踏みニュウを経由して中山峠に戻る事とするが、クライミングが終了している事 もありあとは遠足気分で散策しながら進んで行く。ニュウの山頂には大勢の登山客は休憩しており一般登山道に来たことを実感し ながら中山峠経由で黒百合ヒュッテに戻った。あとは一気に唐沢鉱泉まで下り充実した2日間の山行は雨が降ることも無く大成功の 結果となった。唐沢鉱泉でゆっくりと疲れを癒し三重へと帰還の途についた。

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【天狗岳登山口駐車場(写真は下山時)】
バイオトイレが設置されています

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【西尾根登山口を右に見送り直進】
本日もまだ夜が開けぬ時間に出発

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【5分程歩き右手に掛かる橋を渡る】
ヘッテンの灯りで黙々と登山道を歩く



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【渋ノ湯と唐沢の分岐】
ここから黒百合平方面へ歩を進める

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【この先は石が多い登山道】
雨天時などは滑りやすいので注意したい

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【黒百合ヒュッテで補給タイム】
風は問題なさそうなので左カンテへGO



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【黒百合ヒュッテのテント場】
フラットで快適そうなテント場

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【中山峠】
ミドリ池方面へ歩を進める

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【中山峠から標高160m程急坂を下る】
稲子岳の分岐を見逃さないよう注意



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【緑のロープが張られた稲子岳分岐1】
[中山峠まで・ミドリ池まで40分]が目印

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【目印も踏み跡もある取付きへの道】
迂闊にも道を反れて迷ってしまった

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【正規ルートに戻り順調に進んで行く】
本来この区間で迷う事は無いと思われる



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【稲子岳の岩端手前で右折】
ここが合っているか微妙だが少し下る

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【天狗岳の東壁】
3〜4月頃に登られるルートのようだ

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【稲子岳南壁の下をトラバース】
踏み跡を辿り取付きまで横歩き



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【左カンテが見て来た】

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【稲子岳南壁左カンテ】

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【一段下のテラスの目印】
この一段上に左カンテの取付きがある



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【左カンテ取付きの目印テープ】
黒・黄・黒の三重テープ
先行者はおらず一番乗りのようだ

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【有名な赤いハーケンを発見】

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【赤いハーケンのアップ】
後続がまだ来ないので少し腹ごしらえ
お腹を満たした所で準備開始



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【1P目をリードで登る筆者】
カンテ〜浅い凹状

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【1P目を少し登った所】
そして1P目終了点手前で痛恨のルートミス

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【1P目の中間部】
ルートミスしなければ特に難しくは無い



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【今日もしんがりを務めるケンちゃん】

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【2P目の凹角に取付く筆者】

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【2P目の中間部】



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【1P目終了点で待機中のケンちゃん】
この頃、後方PTが取付きで準備中

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【2P目の終了点でビレイ中の筆者】
2P目は浮石に注意すれば問題なし

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【2P目を登るケンちゃん】
ケンちゃんにV級は物足りないかも



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【2P目終了点からの垂直の横壁】
ハーケンがあり人工登櫟ルートのようだ

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【3P目の右ルートのチムニーに入る筆者】
左ルートの垂直クラックの方が難しい

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【チムニーは突っ張って登り突破】
この上からは左に回り込んで進んだ



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【先程のチムニーから上を見上げる】

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【3P目の終了点でビレイ中の筆者】

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【3P目を登るケンちゃん】



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【4P目に向け発進!】
ガラ場〜リッジ上の薄被りフェース

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【4P目の終了点に到達目前の筆者】
4P目はロープの流れが悪く重たい;;

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【3P目終了点にいるケンちゃんと相方】
振返り見降ろすと高度感あり
1P目以外はルートを外すことなく
順調に登る事が出来た



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【4P目の中間部】

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【4P目を登る相方の下に見える後方PT】

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【4P目の核心部を登るケンちゃん】



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【背後に天狗岳が見えるロケーション】

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【4P目の終了点であるピナクル】
後方PTが見えたので4P目はスピードUP

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【5P目階段状〜クラックのあるフェース】



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【短い5P目は登らなくても良い】
右側から稜線に抜けられる

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【5P目の終了点】
クライミング準備を撤収して休憩

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【5P目の終了点から左カンテを眺め中】
30分弱休憩するも後方PTは4P目に現れず



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【5P目の終了点に立つ筆者】
いつもと違う角度で見る硫黄岳と天狗岳

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【東天狗からの稲子岳(2014年撮影)】
3年前は登る事になるとは思いもせず

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【電気柵を外して稜線にでる】
黄色の持ち手の所が外れます



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【一応、稲子岳のピークへ】
この区間はバリエーションルート

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【稲子岳のピーク】
このままニュウまで縦走しよう

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【ここを登れば一般登山道に合流】
目印や踏み跡が有り迷う事もなかった



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【一般登山道合流地点(稲子岳分岐2)】
標識は無くピンクテープが有るのみ

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【少し進みニュウへ】
ニュウに来るのは何年ぶりだろうか

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【ニュウで少し休憩】
沢山の登山者で賑わっていた



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【ニュウからの稲子岳】
こっち側からの稲子岳は迫力が無い

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【富士山も拝むことが出来た】
心配した天気もなんとか持ちそうだ

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【中山との分岐】
中山峠方面へ歩を進める



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【見晴らし台からの眺望は如何なものか】

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【稲子岳の南壁が辛うじて見える】

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【東天狗と西天狗】



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【黒百合ヒュッテに戻って来た】
後は唐沢鉱泉まで往路を戻るだけ

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【唐沢鉱泉の源泉】
鉱泉は冷たい

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【唐沢鉱泉で汗を流す】
今日の山行も無事終了〜





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