【 甲斐駒ヶ岳 】  黒戸尾根のピストンコース

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【甲斐駒ヶ岳】 かいこまがたけ 2967m   

登山日 2016年12月24日(土)〜25日(日)
山域 南アルプス【 − 甲斐駒ヶ岳 】 
コースタイム 【1日目】7時間50分 (休憩等、約1時間23分間含む ※歩行タイムは6時間27分) 
【2日目】8時間27分 (休憩等、約1時間20分含む ※歩行タイムは7時間7分)
コース 【1日目】
尾白川渓谷駐車場(4:55)〜竹宇駒ヶ岳神社(5:01)〜笹の平分岐点(6:46-7:01 休憩15分)〜刃渡り(8:20)〜刀利天狗(8:44)〜五合目小屋跡鞍部(9:24-9:42 補給休憩18分)〜七丈第一小屋(10:40-11:13 休憩・装備替え33分)〜8合目手前の引き返し地点(11:59)〜七丈小屋キャンプ指定地(12:22-12:39 お昼休憩17分)〜七丈第二小屋(12:45 小屋泊)
【2日目】
七丈第二小屋(5:49)〜八合目御来迎場(6:40-6:44 撮影4分)〜2本剣の9合目(7:23)〜甲斐駒ヶ岳(8:11-8:38 休憩27分)〜2本剣の9合目(9:07)〜八合目御来迎場(9:31-9:37 撮影6分)〜七丈第二小屋(9:58-10:22 休憩24分)〜五合目小屋跡鞍部(10:54-10:59 休憩5分)〜刀利天狗(11:35)〜刃渡り(11:51)〜[途中 休憩14分]〜笹の平分岐点(12:59)〜尾白川渓谷駐車場(14:16)
天候 【1日目】晴れ (風が強く稜線上は暴風)
【2日目】晴れ (高気圧に覆われ穏やかな絶好のお天気!)
駐車場 ★尾白川渓谷駐車場(80台 無料),トイレあり
※トイレは建て替え中で、簡易トイレが設置されており使用できました。
立ち寄り湯 甲斐駒ヶ岳温泉 尾白の湯 , 道の駅信州蔦木宿 つたの湯
備考 ★登山届は尾白川渓谷駐車場に設置されています。
★今回は七丈第二小屋(素泊まり 寝具付4,600円)に宿泊しました。
※チェックインは昼からの受付となります。
★トイレは尾白川渓谷駐車場と竹宇駒ヶ岳神社と七丈小屋(有料)でお借りする事が出来ます。
※宿泊者は無料でトイレを使わせて頂けます。
※宿泊者以外の方は通常は200円、冬季は300円を小屋にお支払いすれば使用できます。
★小屋前の水場から水が出ていれば有料で水が汲めます。
※今回は水は出ていませんでしたが宿泊者は水を無料で頂けます。
★12月後半の積雪期なのでピッケル・アイゼン・ヘルメット等の完全冬山装備で入山をしています。
※念のため補助ロープ・ハーネス・カラビナ・シュリンゲも準備しました。
★黒戸尾根は刃渡りや鎖場・梯子・ロープ場など危険個所が多くあります。
※冬季は鎖や梯子が雪に埋まると難易度が一気に上がるそうです。
※今回は8合目より下の鎖や梯子等はほぼ全て埋っておらず使用出来ました。
★冬季は積雪の深さ・雪質・トレースの有無でコースタイムは大きく変わります。
◆記載した内容は登山日によるものです。(※あくまでも個人山行の記録です)





行程地図

【行程イメージ図 尾白渓谷駐車場から黒戸尾根のピストンコース】


断片図

【断面イメージ図 標高差が大きい1泊2日小屋泊コース】




当サイトは「山旅倶楽部」の地図をベースに作成しています。
2014年1月より山旅倶楽部の地図を2次利用する場合は国土地理院への申請が不要となりました。



山行のつぶやき

今シーズン初の雪山は甲斐駒ケ岳!!珍しく計画してからブレずに決行となった。23日から入山したかったが天気図を見比べながら 気圧配置の緩む24日に変更し黒戸尾根から入山する。1000mを超えたあたりから雪が出始め五合目よりチェーンスパイクを 装着して七丈小屋までは順調に進む。七丈小屋でフルアイゼンに装備替えして登頂を目指し先へと進む。だがしかし… 前日に降り積もった新雪が予想以上に 深くサラサラで一気に体力を消耗、おまけに右足に攣りそうな違和感があり力が入らない。もはや体力的にも精神的にも余力は 残っておらず初日の登頂は不可能となっているが、8合目まではなんとか行こうと遅々として進まない足を引きずりながら進む。 必死に登りきった稜線は低気圧が残った強風が吹き荒れ肌に痛く突き刺さってくる。もちろん既に心は折れており8合目手前で 撤退を決意し七丈小屋に素泊まりして25日に再アタックすることにし七丈小屋へと引き返す… 諦めた瞬間下りの足は軽くなった。 七丈小屋は怖いと有名な小屋番さんがいるという事なので緊張気味に受付を行い、粗相のないように細心の注意を払う。本日の宿泊は 第2小屋となるが小屋の中はストーブで暖められ外との寒暖の差が著しく、寒いままのテントとは異なり天国のような感じである。 懸念していた小屋番の御主人も話してみると楽しく山を語ってくれる方で、甲斐駒ヶ岳のアイスクライミング事情や登山道の整備や 遭難状況など色々な事を話していただいた。 怒ると怖いらしいが多分それは一部のマナーの悪い登山者に対してだけだろうと 思われる。一晩中ストーブが焚かれた暖かい小屋で過ごし、2日目は再びアタックすべく早朝の暗い中出発する。本日の先行者は 昨晩小屋でご一緒させて頂いたベテランの単独者の方で雪山に慣れている感じだったので心強い感じだ。昨日撤退した8合目手前で 追いつき、先頭を変わり進んで行くがなんとここからはトレースが無いのでラッセルを強いられる事となった。天気は 昨日とは打って変わり高気圧に覆われ申し分ないが右足の張りは治まっておらずペースは上がっていかない。9合目まではかなり 深い雪溜まりとなっている箇所もあり予想以上に激しく疲れてしまう。9合目で流石に休憩としここで後続で登ってきた単独登山者 に先頭を変わってもらう。9合目より上はクラストした斜面となりアイゼンの前爪を聞かせながら登っていく形となるが、足を滑らせる と一気に谷底へと吸い込まれて行きそうな感じである… 別に難しいという事は無いのであるが。慎重に登っていき遂に冬期の 甲斐駒ヶ岳を登頂することができた。憧れの山頂から見る景色は無雪期とは比べようも出来ないくらい荘厳で素晴らしい。雪を 纏った仙丈ヶ岳は南アルプスの女王と呼ぶに相応しく、南アルプスの巨人達である白峰三山も主峰の風格を漂わせて堂々とした 佇まいで出迎えてくれた… まさに威風堂々とした言葉がぴったりである。山頂で展望を満喫し後は下山だけであるが、安全を 見て念のためにアンザイレンで下っていく。山頂直下の急な斜面もそれほど難しくなくクライムダウンで通過し、登りで不安視していた 難所も無事通過、景色を眺めながら気分良く七丈小屋まで歩いていく。七丈小屋にデポしていた荷物を回収しお世話になった ご主人に挨拶し登山口目指して進んで行く。あとは下るだけであるがこの下りが長く険しいため、まだまだ気を抜くことは出来ない。 黒戸尾根は冬期ルートとしてメジャーであるが、あくまで鎖と梯子が使えることが前提となり、これが積雪で埋まったりすると難易度 は格段に上昇し我々の手に負える状態では無くなるであろう。無事に登山口まで帰還し憧れの山に登れた事に満足しながら日帰り 温泉で温まってから帰路へとついた。

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【尾白渓谷駐車場(写真は下山時)】
準備を整え5時前に出発

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【駐車場の奥に登山ポストがある】
まずは竹宇駒ヶ岳神社まで林道を歩く

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【日向山方面分岐を右に見送る】
日向八丁尾根〜八丁尾根も登って見たい



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【竹宇駒ヶ岳神社】
登山の安全祈願をさせて頂く

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【神社の左側から吊橋を渡る】
定員5名と書かれている

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【尾白川渓谷道との分岐(写真は下山時)】
少し登るともう1ヶ所渓谷道との分岐あり



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【登山道にある七丈小屋の情報を確認】
今期の食事提供は終了し、大人数での小屋利用はご遠慮下さいとの事です

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【七丈小屋の情報看板もチェック】

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【落葉が積もった足に優しい道を登る】
まだ夜が明けず暗いが、明瞭な道で目印も有り迷わず登って行く事が出来る



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【足元が雪で白くなってきた】

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【傾斜が緩い所もある】

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【笹の平に着くと朝日が登った!】



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【笹の平分岐点】
横手登山口方面からのトレースは無い

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【標高1600mを過ぎると八丁登り】
断続的に長い急坂が続く

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【八丁登りを歩く相方】
どうやら今日は調子が良いらしい



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【突然展望が開けると刃渡りに着く】

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【核心部には鎖場が設置されている】

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【ヤセを根を慎重に進み中】



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【刃渡りからの鳳凰山と富士(左奥)】

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【刃渡りを過ぎると次は梯子と鎖ゾーン】

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【刀利天狗までは要注意箇所が続く】



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【刀利天狗まで登って来た】
ここから少し登り黒戸山の山腹を歩く

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【黒戸山の山腹道】
暫く横歩きして標高100m程下れば5合目

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【五合目小屋跡に張られたテント】
黄蓮谷に行く方々のようだ



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【五合目小屋跡からは甲斐駒が見える】
中央奥が甲斐駒・右手前が屏風岩
あの頂への道程はまだまだ長い

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【甲斐駒ヶ岳のアップ】
雪を纏った甲斐駒はとてもカッコイイ
左の手前は八合目御来迎場

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【更に下ると五合目鞍部(屏風小屋跡)】



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【鞍部には祠と石仏・石碑が並んでいる】
ここでチェーンスパイクを装着

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【屏風岩取付きの梯子を登る相方】
雪が付いた階段は結構怖い;;

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【その後も階段・梯子等は続く】
この道は七丈小屋の管理人さんが全て整備



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【少しだけ下り木の橋を渡る】

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【木の橋を渡る相方】
古い橋の上に橋が架けられている
ロープの手摺を持ちながら慎重に通過中

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【更に梯子を登ると不動岩(六合目)】



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【不動岩にも沢山の石仏・石碑がある】
ここには開山者の小尾権三郎を祀った
「威力大聖不動明王」の石碑と鉄剣がある

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【その後も断続的に梯子が続く】

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【この垂直の梯子はちょっと怖い】



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【核心部の鎖場】
左側が切れ落ちている難所。4年前の無雪期に通った時は何とも思わなかったが、岩に雪や氷が付くかなり怖く感じる。

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【後は七丈小屋まで一登り】

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【トラバースを過ぎると七丈第一小屋】
出発して5時間45分の10時40分到着
受付が昼以降との事なので休憩後に行ける所まで行って見て引き返す事にする



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【第一小屋前の水場(有料)は使用出来ず】
宿泊者は水を無料で頂けます

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【本日お世話になる七丈第二小屋】
アイゼンを装着し右上の階段から先へ進む

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【第二小屋上からの鳳凰山】
ここからでもオベリスクは良く目立つ



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【キャンプ指定地にまだテントは無い】
昨日にテントを張った人はいないらしい
昨日は40p程、雪が積もったそうだ

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【深雪に苦戦して速攻心が折れる;;】

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【樹林帯の急斜面を頑張って登り中】
登るにつれ風が強くなり寒い;;
頂上を踏んだ1名と撤退組数名とすれ違う



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【八合目御来迎場はあの上だが・・・】
森林限界に出るとよろめくほどの強風

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【甲斐駒ヶ岳】
八合目まで行こうと思ったがここで撤退

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【鋸岳も真っ白】
来年は無雪期に鋸岳に行ってみたい



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【黒戸山】
強風の中で頑張って撮影を試みるが相方が寒い!とせかすのでそそくさと下山開始

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【七丈第二小屋の室内】
第一小屋で声を掛けて第二小屋で受付
野菜ジュースとコーヒーを頂いた

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【ストーブが炊かれ暖かい室内】
期限切れのカップ麺が100円で売っていた
同泊者の方々と歓談し自炊して18時就寝



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【2日目、小屋を5時59分に出発】
先に出発したベテランさん1名を追う

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【今日は森林限界でもそよ風】
八合目手前で先行者の方に追いつく

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【八合目御来迎場】
空が白み始めた



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【八合目から見る奥秩父の山々】

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【鳳凰山と富士】

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【甲斐駒ヶ岳目指し本日の先頭を行く】



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【鎖場を登る相方】
1つの下の鎖は埋まっていたが、ここの鎖は使う事ができた。ただ、この鎖が埋まると登りも下りも厳しくなりそうだ

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【甲斐駒ヶ岳に少しずつ近づく】
右上に二本の剣が刺さった9合目の岩が見える。少し横歩き後、急斜面に取付く。(一部無雪期と違う箇所あり)

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【急斜面を登る筆者】



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【鳳凰山を背に急坂を登る相方】

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【9合目まであとし少し】

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【9合目の岩に刺さった2本の剣】



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【朝日に照らされる甲斐駒ヶ岳】

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【北岳・間ノ岳・摩利支天(右手前)】

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【何度も撮ってしまう鳳凰山と富士】



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【稜線上は雪煙もなく快適】
この手前で単独登山者に先に行って頂いた

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【凍った斜面を恐々登る相方】
ここの斜面はかなり慎重に通過

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【頂上まで後少し(右奥)】
思ったより順調に登って来れた



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【山頂にある祠が見えた!】
山頂が迫りテンションUP

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【東峰の駒ケ岳神社本社に到着】
祠は完全に埋まっていた

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【東峰にも沢山の石碑が祀られている】
ここから甲斐駒ヶ岳の山頂は近い



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【遂に甲斐ヶ岳にたどり着いた!】
我々は本日の二番手で頂上に到着

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【甲斐駒ヶ岳のシンボルの祠】
威力不動尊が祀られている

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【鳳凰山と白峰三山方面の遠景】
さぁ、お楽しみの景色の撮影タイム♪



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【オベリスクと雄大な富士】

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【摩利支天】

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【白峰三山方面】



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【北岳】

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【間ノ岳】

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【仙丈ヶ岳】



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【中央アルプス 越百山〜空木岳】



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【中央アルプス 三ノ沢岳〜木曽駒ヶ岳】



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【鋸岳】

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【北アルプス】

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【八ヶ岳】



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【景色を満喫したので下山開始!】
念のため上部の下りだけ相方を確保する

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【急坂はクライムダウン】
往路を忠実に戻って行く

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【八合目御来迎場からの甲斐駒ヶ岳】
本日は申し分ない絶好のお天気だった♪



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【テント場まで下りて来た】
七丈小屋で休憩してから登山口まで下ろう

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【核心部は慎重に下ろう】
梯子・鎖場・岩場は下りの方が神経を使う

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【核心部も終わり後はダラダラ下るだけ】
今年の山行も無事に終了〜





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